東北地理学会会長からのメッセージ
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東北地理学会会員および関係各位へ 今回の東日本大震災は、東日本全域にわたる地震被害、岩手・宮城・福島県沿岸部の津波被害、さらに福島県浜通りの原発事故と、東北地方を中心に想像を絶する人的・物的被害をもたらしました。被害に遭われたみなさまに心からお見舞い申し上げます。またそれぞれの持ち場で救援・復旧に総力を注がれている皆様に深く敬意を表します。 東北地理学会が事務局を置く東北大学理学部地学棟の建物は、応急危険度判定で「比較的安全」と判定されましたが、被災後数日間に亘ってライフラインと通信機能の途絶を経験しました。都市ガス・暖房は未だ復旧しておりません。 会員の安否につきましては、これまで岩手・宮城・福島県の沿岸地域にお住いの会員を対象に安否確認を行ってまいりましたが、現在も4名の会員と連絡が取れておりません。 現状は未ださまざまな困難を抱えておりますが、東北地理学会は4月4日に幹事会を開き、以下の重要な決定を致しました。まず、「災害対策委員会」を立ち上げ、関連学会と連携しながら、災害の状況と復興に向けた情報などを学会のHPで発信していきます。また海外の研究者等に、これまでの研究成果を含め、地理的に正しい情報を伝えていくことを重要な任務のひとつと認識し、HPに掲載して参ります。そして、東北地理学会春季学術大会を仙台で(会場は変更しますが)予定通り実施することを決めました。交通機関・宿泊施設などの利用に現在も不確定要素を残しておりますが、会員の皆様には是非お集まり戴き、仙台と東北地方の現状を観て、地理学の出来ることについて思いの丈を語り合いたいと存じます。 東北地理学会には、これまでも地震や津波、土砂災害などで東北を主たるフィールドにした研究蓄積があり、今回の震災は文字通り未曾有の規模ではありますが、現象の解明と復興に向けて必ずや学会として貢献できることと信じております。いまこそ「東北」の底力を発揮するときです。今後とも東北地理学会を注視され、ともに復興に向けて頑張ってゆきたいと存じます。 |
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